5日目 日目(2004年2月25日 水曜日)
朝起きても、まだ今日の行動が決まっていません・・・。
そんな気分のまま外を見るとなんと雨。
ワルザザードへ行くのはかなり面倒になったのですが、朝食を食べているうちに、せっかくだから少しでも砂漠っぽい体験をしたいと思い、行くことに決めました。
9時ごろチェックアウトをしようとすると、「この後、どこ行くの?」と聞かれたため、「ワルザザード」へ行くと答えると、「ちょうどワルザザードへ5人組の日本人を送迎するから、一緒に行けば?」と言われました。
あまり日本人とつるみたくなかったので、日本人5人組というのが気になりましたが、途中にある世界遺産であるアイト・ベン・ハッドゥなどの見所にも寄ってくれる割に値段が安かったので、一緒に行くことにしました。
出発時間は12時なので、チェックアウトを取消し、史跡地区の行っていなかったダル・シ・サイド(工芸博物館)へ行きました。

ダル・シ・サイド(工芸博物館)ダル・シ・サイドは、宮殿として建造されたものが、現在工芸博物館として使われているものです。
ベルベル人の絨毯や装飾品などが展示されていて、他に観音開きの扉などもたくさん展示されていました。
中では、写真が撮れなかったので、中庭の写真を撮ってみました。
雨でしたが、それが帰って雰囲気を出しています。(かな?)
雨なのに、(たぶん)フランス人観光客が結構いました。
そこで気づいたのですが、フランス人(モロッコ人も)は傘を差さないんですね。
確か、アメリカ人も差さない人が多いと聞いたことがあるんですが、そんなもんなんですかね。
酸性雨は気にならないのでしょうか。
まあ、私も傘を指してなかったんで同じなんですけどね。

バイア宮殿その後、もうひとつ行ってなかったバイア宮殿へ行きました。
バイア宮殿は、その名の通り宮殿で、今でも国王が宿泊することがあるそうです。
中には、豪華な個室がたくさんあり、さらに壁や天井には、とても綺麗なデザインや彫刻が彫られています。
また、部屋を仕切るアーチの形にもムーア式、アラブ式などのこだわりがあり、それを見るだけでもじゅうぶんです。
本当に、立派な宮殿なので、マラケシュにきたら是非行ってほしいです。
さらに、中庭の
ただ、残念だったのは写真を見ても分かると思いますが、雨が降っているんですよね。
そのためかどうか知りませんが、噴水も水が出ていませんでした。

バイア宮殿の観光も終わり、マラケシュの名所を一通り押さえたので、ジャマ・エル・フナへ戻ることにしました。
戻る途中、とても面白いものを発見しました。
それは、映画「少林サッカー」の看板(映画館)です。(写真を撮り忘れちゃいました・・・。)
モロッコでは、ちょうどこの時にやっていたのですね。映画館
モロッコの映画館はどんな感じなのかな〜と思い、勝手に入ってみることに。(⇒)
中に入ってみると、2階席で掃除をしていたおじさんが私を呼び、ダッシュで私のいる1階席まで降りてきました。
そして、そのおじさんは、すっごく嬉しそうに絵を書き始め、私にその絵を見せてきました。
その絵は、少林サッカーの主人公がサッカーボールを飛び蹴りしている絵で、私のことをそっくりだと言っているみたいでした。
東洋人に会ったのが初めてなのか、それとも少林サッカーの大ファンなのかわかりませんが、とても嬉しそうなので、こちらも楽しくなりました。
そのおじさんと交流をした後、最後にもう一度だけジャマ・エル・フナをぷらぷらしてから、ホテル・アリに戻りました。

時間は、そろそろ12時。
出発はまだかと旅行社の人に確認をすると、日本人5人組が行くかどうか怪しいので、その5人組の部屋(ホテル・アリに滞在中)へ確認しに行くから、ついて来てと言われました。
なぜかと言うと、その5人組は英語があまり通じないため、私に通訳してくれと言うことでした。
いくら英語が苦手とはいえ、私よりはできるだろうと思い行ってみると、本当に全然通じません。
旅行社の人は困ってしまい、私が日本語で確認してみると、自分たちでバスでその先のザゴラまで一気に行く言いました。
私の頭は、??になってしまいましたが、旅行社の人にそのように伝えると、ちょっと困惑していました。

5分くらい待つと送迎車のランドローバーが現れ、運転手は大柄なベルベル人で、とても陽気な良い人でした。
これから、私と運転手の2人旅の始まりです。
しかし、運転手は英語がわかりません。
しかし、ベルベル人のミュージックを聞きながら、歌を歌ったり太鼓を叩く真似をしたりして、とても楽しく行けました。
また、アラビア語で使えそうな言葉を教わったので、そのおかげで挨拶は自然にできるようになりました。

では、オートアトラス越えへスタート!!
ホテル・アリを出発すると、雨は更にひどくなってきました。
マラケシュの街をちょっと出ると景色が急に変わってきて、先にモロッコ最大の山脈であるオートアトラスが見えて来ます。
アトラスには、中央のオート(高い)アトラス、北のモワイヤン(中くらい)・アトラス、南のアンチ(先触れ・アトラスがあります。
オートアトラスは、名前のとおり一番高く、富士山より高いです。(4,000m超)
その姿は、感動を与えてくれるくらい引き付けられるものがあります。
また、雨が雰囲気を出していました。

何箇所かのナイスビューポイントを寄って、2時間くらい走ったときに、標高3,500mオートアトラスのベルベル民族の家を超えたみたいです。
そんなところに、なんと人が住んでいるんです。
ベルベル人はこんな山奥に住んでいるんですね。
それも、川もないから水をどうやって運んでいるのか不思議です。
水はかなり貴重なものなんだろうなって思いました。

その後も、途中休憩を挟んで車は走り、運転手がワルザザードと言ってきました。
でも、ここは山の中。
まだ着いてないでしょ?と思うと、マラケシュとワルザザードの境界を超えたと言うことでした。
オートアトラスしかし、まだまだ山の中。
でも、境界から少し走っていくと、天気はすっかり晴れました。
晴天のオートアトラスもまた絶景です。
今回のオートアトラス越えで、雨のアトラスと晴天のアトラスの二つを味わえて、本当に感動でした。
ワルザザードへ行こうかどうか悩んでいましたが、行くことにして本当に良かったと思いました。

出発してから約5時間経過したくらいに道がない所に入っていきました。
そこは、本当のオフロードで、砂漠と言っていい感じです。
運転手も砂漠だと言っていました。砂漠
車の中で転げ落ちそうになるくらい道なき道を進みました。
この雰囲気を味わいたいと思ったのと、トイレに行きたくて仕方がなくなったので、ここで降ろしてもらうことに。
モロッコのこんなところで立ちションをしてしまい、日本人の恥だと思いましたが、この景色を見たらそんな小さいことはどうでも良いと思えました。
そのくらい、辺り一面何もないのです。
サハラ砂漠へは行けませんでしたが、ここに来ただけでもじゅうぶん砂漠気分を味わえました。

このオフロードを超えてちょっと進むと、世界遺産であるアイト・ベン・ハッドゥへ着きました。アイト・ベン・ハッドゥ
と言っても、時間もなく遠くからの写真撮影だけでしたが、世界遺産というだけあって、雰囲気は感じられました。
このアイト・ベン・ハッドゥは、映画アラビアのロレンスなどのロケ地として使われており、モロッコ1美しい村とされています。
村と言うことは、つまりまだベルベル人が何世帯かは住んでいるんですね。
時間があれば、村の中へ行きたかったのですが、それはこの送迎ツアーには含まれていなかったみたいです。
結構遠い所からの撮影ですが、↑こんな感じです。

ここまで来れば、あとちょっとでワルザザードです。
寄る場所もアイト・ベン・ハッドゥで終わりと思っていたので、もう到着まで何もないのかなと思っていたのですが、運転手が外を指差し、「見ていく?」と言ってきました。
アトラス・コーポレーション・スタジオあれ?まだ見るところがあるのかな?と思い、地球の歩き方で確認すると、そこはアトラス・コーポレーション・スタジオ(映画スタジオ)でした。
せっかくなので、入り口まで行って写真を撮りました。
入り口の横には、ツタンカーメンか何かのとても大きい人物の銅像があり、とても目立っていました。
アイト・ベン・ハッドゥなどがあるワルザザードは、映画のロケ地として注目されている場所みたいなので、それに遊び場を入れたテーマパークまで行かないくらいのスタジオを作ったみたいです。
昔、神奈川県の大船に松竹の鎌倉シネマワールドというものがありましたが、それの大きいものかなと思いますが、中に入っていないので良く分かりません。

そして、ついにワルザザードへ到着しました。
出発してから約5時間半。
長かったけど、有意義なオートアトラス越えが終わりました。
標高が高い山を越えたせいか、旅の疲れが出てきたのか分かりませんが、結構疲れている自分がいたので、ホテル1時間くらいゆっくり過ごしました。
その後、スーク(と言ってもマラケシュとかのような大きいものではなく、5分もあれば全部回れるくらいのもの)を見て回り、夕飯にハリーラを食べました。
帰りにこの旅初のアルコールである缶ビール(モロッコ産)を買って帰り、オートアトラス越えの余韻に浸りながら飲んでいると、そのまま眠ってしまいました。


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